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[小説 時] [142 空気]

142 空気

 そうだな。・・・待て、・・・。
 何か約束でもあるんですか?
 いや、ない、・・・が、・・・。
 連絡を入れて来てくれ。
 でも、・・・本当に良いんですか?
 構うことはない。今日は、此処以外に何もない筈だ。・・・お前も行くか?
 無理だよ。後片付けがある。
 そうだな。それじゃ、手当り次第声を掛けて、人数が決まったら早目に電話を入れておいてくれ。・・・二時間後だ。
 分かりました。
 何だ? どうしたんだ?
 少し休まないと、これから先も長いんですよ、後が続かないでしょう?
 店を、・・・。
 大丈夫、連絡しておきますよ。

 予報は当たったようだった。細かな雪が窓の外に見えた。窓を開けると、昼間の陽気を吸い尽くした身体には、冷え始めた空気が痛いようだった。新しく積もった雪を掬って顔に押し付ける、・・・それだけで幾らかは酔いが醒めるような気がした。

-Dec/20/1998-

・・・つづく・・・



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