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【時】 [52 獲物]
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52 獲物 型通りの式次が済むと、身内だけの気安さからだろう、まだ手にも入れていない獲物の評定が賑やかだった。その話題を提供したのは、地方版の中段に載った、それまで支えのなかった手形が、具体的な裏付けを持っていることを知らしめるのに充分な、一つの新聞記事だった。 誰も、その意味を知らなかった。それは、秋になれば、誰でもが知り得る話だった。にも拘らず、何故この日に合わせて記事になったのか、誰も知ろうとはしなかった。そして、掌に感じる重みが具体的になればなる程、その後ろ側にあるものは次第に視野の外に去って行くようだった。事実、獲物を手に入れるために払った代償がどんなものだったかを、思い出そうとする人は少なかった。・・・何もかもを、急がされているような気がしていた。・・・それこそが、記事の目的だった。
お父さん、昨日、事故を目撃したと云う人に会って、話を聞いたんだよ。
-Oct/25/1997-
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