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【時】 [37 校門]
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37 校門 翌朝、眼を醒ますと、既に片付けは始まっていた。膳や座布団が積み上げられていた。昨日、この前に或いはこの上に座っていた人達は、もういない、・・・誰も、腹に収められるものは全て収めた、そして、此処には、行き所なく淀んでいる酒の匂いだけが残った。 会社に電話を入れた。休暇を延長しなければならなかった。型通りの挨拶の後、そのための段取りに半時間程を費やして、やっと三日の休暇が認められた。 片付けが終わったのは午近くだった。兄は借りていた什器を返しに、父は本家へ挨拶に出掛けた。 伯母を送って街に出た。列車に乗せた後で、久し振りに歩いてみる心算だった。 駐車場がなかなか見つからなかった。いよいよ叔父の店に戻ろうとした時、急に学校へ寄ってみることを思い付いた。 校門を入ると、そこからは見えない校庭の方から賑やかな歓声が聞こえて来た。周りを厚い緑が取り囲む、そこは街の中にあって、別世界だった。車を駐めて玄関を入ると、右側に以前の儘の小さな窓が、その左には大きな鏡と、そして、時代がかった大きな振子時計が並んでいた。覗き込むように来意を告げると、すぐに、嘗つて同級だった、今は此処で数学を教えている教師が顔を出した。
久し振り。
-Oct/4/1997-
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